『会社から未払い残業代を回収したいが、その方法が分からないので弁護士に相談したい』
『弁護士は敷居が高い』
『弁護士に依頼した場合にどれくらいの費用がかかるのか分からない』
『回収する残業代より弁護士費用の方が高くなるのではないか』
『誰に頼めば良いか分からない』
そう思ったり悩んだりして、残業代請求を弁護士に依頼することを諦めている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ここでは、残業代を請求する場合の弁護士費用や弁護士に依頼するメリット、弁護士の選び方などについてご紹介していきますので、諦める前にぜひチェックしてみてくださいね。

残業代請求をする場合の弁護士費用の種類と相場

かつては日本弁護士連合会が定めた基準によって弁護士費用は一律とされていましたが、現在はその基準がなくなったため、弁護士費用は事務所ごとに異なります。
そのため、ここからは基準となる弁護士費用の構成と、それぞれの相場を確認していきましょう。

弁護士費用の構成は以下の通りです。

・相談料 ・着手金 ・成功報酬 ・手数料 ・実費

それぞれの詳細と相場について見ていきましょう。

・相談料

自分の現状において残業代請求ができるのか、できる場合にはどれくらいの残業代を回収することができそうなのか、持っている証拠は有効かなど、残業代請求を依頼する前に弁護士に相談するのが一般的です。
相談料は、その際に支払う費用となります。

相場は1時間5000円~1万円程度ですが、事務所によっては初回相談料を無料にしているところもあります。

・着手金

着手金は、弁護士に正式に依頼することが決まった際に支払う費用です。
着手金は、残業代請求の活動をするために必要な費用ですので、活動の結果にかかわらず発生します。つまり、残業代を回収できてもできなくても返還されることはありません。

任意交渉のみを頼むのか、未払い残業代として請求可能な金額や回収見込みがあるのか等、様々な要素によって着手金の設定金額は異なりますが、着手金の相場は、20万~30万円です。
なお、事務所によっては着手金を無料にし、次に説明する成功報酬のみ設定しているところもあります。

・成功報酬

成功報酬は、回収することができた金額や和解した金額に対して、割合を定めて支払う費用です。
弁護士に依頼する場合の主な費用は着手金と成功報酬の2つです。

成功報酬は、割合で報酬額が設定されており、解決方法(例えば話し合いと裁判では割合が異なることがあります)や獲得した金額に対してその割合分を支払うことになります。
着手金と同様に様々な要素によって設定される割合は異なりますが、相場としては20%~30%です。
勝浦総合法律事務所では相談料・着手金を無料に設定し、成功報酬のみを頂いております。

勝浦総合法律事務所の料金体系

・日当

日当とは、弁護士が事務所を離れて行動し、時間的に拘束されることに対して発生する費用です。
例えば、裁判所への出廷にかかる「出廷日当」、遠方での打ち合わせなどにかかる「出張日当」等があります。
日当の相場は3万円から5万円程度です。
なお、日当は宿泊費や交通費とは別の費用として請求されることが一般的です。

・手数料

弁護士費用における手数料は、主に書類作成等にかかる費用のことです。
具体例として、残業代請求をする際に会社に送付する内容証明の作成費用が手数料に該当します。
事務所によっては着手金などに含まれる事もあるため、必ずしも手数料の項目があるとは限りません。
相場は数千円程度です。

・実費

裁判の際に必要な申立書などに貼り付ける印紙代、弁護士の交通費及び通信費等を指します。こちらも、手数料と同じく事務所によって項目の有無は異なります。
裁判をする際に必要な印紙代は請求額によって異なりますので、実際にかかる実費がどれくらいになるのかは相談時に確認しておくといいでしょう。

残業代請求を弁護士に依頼するメリット

費用がかかるとなると弁護士に依頼するのを躊躇してしまう方もいるでしょう。
費用はかかりますが、法律のプロである弁護士に依頼すると多くのメリットがあることも確かです。
具体的にどのようなメリットがあるのかを確認しておきましょう。

無料相談で未払いの残業代を試算できる

無料相談では、弁護士から請求金額の見積もりを聞くことができます。

弊所にご相談される方の中には「弁護士に依頼しても、弁護士費用を差し引くと大した金額にならないのではないか」と心配される方もいらっしゃいます。
しかし、一度弁護士に相談していただければ、未払い残業代や手元に残る金額の概算をお伝えすることが可能です。

残業代請求は、労働環境によって一人ひとり大きく異なります。
例えば「残業代が実質的に〇〇手当として支払われている」「どれだけ残業しても賃金が増えない仕組みになっている」など、状況は様々です。

無料相談では、勤務状況やお持ちの資料を基に、未払い残業代請求の可否、及び概算の請求額をお伝えすることができます。

金銭回収の可能性が上がる

弁護士に残業代請求を依頼することで、金銭回収の可能性を高めることができます。

会社に請求の通知を行った場合、会社から「通知を無視する」「請求を取り下げるように連絡してくる」などあまり好ましくない対応をとられることがあります。
しかし弁護士は過去の経験に基づき、交渉を根気強く続けることができます。加えて「弁護士事務所から封筒が届く」という事実は、やはり会社に対して大きなプレッシャーを与えることができます。

弁護士に残業代請求を依頼することで、根気強く請求を続けることができ、結果的に金銭回収の可能性が高まります。

手続きや計算を代行してくれる

弁護士に残業代請求を依頼すれば、残業代の計算や内容証明郵便の送付といった煩雑な手続きを代行してもらうことができます。

残業代の計算は非常に複雑であるにも関わらず、正確に計算できなければ、請求できる金額が減ってしまう可能性もあります。

他にも内容証明郵便の用意・送付、労働審判や裁判に移行する際の手続きなど、一般の方には経験のないものもあるでしょう。
弁護士に依頼することにより、こうした面倒な手続きを弁護士にお任せすることができます。

残業代の詳細な計算方法は、下記の記事にてご紹介しています。
残業代を請求する際の計算方法や注意点を詳しく解説

証拠を集めやすい

弁護士に残業代請求を依頼すれば、残業の証拠収集も代行してもらえます。
残業代を請求するには、タイムカードや就業規則などの証拠を集める必要がありますが、特に退職後の方にとっては、これらの資料を自分で請求するのは容易ではありません。
弁護士を通して請求を行えば、会社に対してプレッシャーを与えつつ、証拠の開示請求を行うことができます。
「大ごとにしたくない」と考える会社にとっては、弁護士からの請求にはやむを得ず応じるケースも少なくありません。

残業代請求で有効な証拠一覧については、下記の記事にまとめています。
タイムカードがなくても残業代請求はできる|他の証拠等を解説

労働審判・裁判でも戦える

弁護士に依頼していれば、仮に労働審判や裁判に移行した場合でも、法律の専門知識を活かして残業代請求を進めることが可能です。
実務経験から申し上げると、残業代請求のうち約1割は裁判に移行します。
一般の方にとっては、労働審判や裁判に対して「なんとなく怖い」と感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
もし弁護士に残業代請求を依頼していれば、たとえ労働審判や裁判に移行しても粘り強く請求を続けることができます。

 

残業代請求を依頼する弁護士を選ぶポイント

では実際に依頼しようと思っても、多くの弁護士がいるため誰を選べば良いのかわからないと思う方もいらっしゃるでしょう。
弁護士にはそれぞれ「強み」があります。
離婚問題に強い弁護士、交通事故に関わる問題に強い弁護士がいるように、「残業代請求に強い弁護士」が存在します。

労働問題の解決実績がある

弁護士を選ぶ際は、事務所の実績・解決事例をホームページなどで確認しましょう。
弁護士ごとに注力している分野は異なるため、残業代請求の結果(回収額)にも大きな差が出る可能性があります。

例として、弊所ホームページでは下記のような実績・解決事例を掲載しています。

・令和6年(1/1~12/31)の残業代回収額・・・約7億8,000万円
・令和4年(1/1~12/31)の残業代回収額・・・約7億5,000万円

・40代男性・営業職の方が200万円の請求を行った事例
・40代女性・事務職員が150万円の請求を行った事例
その他具体的な解決事例(32件のみ掲載中)
(2025年4月現在)

上記のように、過去の回収実績や具体的な解決事例が明示されている弁護士事務所を選ぶと安心でしょう。

説明がわかりやすい

無料相談の際には「説明のわかりやすさ」も、依頼する弁護士を選ぶ上で参考になります。
残業代請求には「割増賃金」「遅延損害金」などの専門用語がいくつかあり、労働法に詳しくない方にとっては理解が難しいです。

そのため、「依頼者の目線に立ち、専門用語などもわかりやすく丁寧に説明してくれる」ような弁護士であれば、信頼して相談を進めることができます。

また「今後の手続きや報酬などの重要事項について、段取り良く説明できるかどうか」という指標も、担当弁護士の経験値を知る上で参考になります。

 

残業代請求を弁護士に依頼した際の流れ

残業代請求を弁護士に依頼する場合、下記のような流れになることが一般的です。

①未払い残業代の証拠を集める
②残業代請求について弁護士に相談する
③弁護士費用などを支払う
④弁護士が会社と交渉
⑤労働審判
⑥裁判

上から順番に説明していきます。

①未払い残業代の証拠を集める

未払い残業代請求を行う場合、まず行うべきことは証拠収集です。
実際の残業時間を示すタイムカードの記録、支払われている賃金を示す給与明細、賃金の規定が書かれた就業規則など、請求時に証拠になる資料を可能な限り集めましょう。

ただし、「既に退職してしまった」「在職中だが上司の目が気になる」等の場合は、証拠の確保は難しいでしょう。

もしご自身での確保が難しければ、弁護士が代わりに開示請求を行い、会社に対して証拠の提出を促すことが可能です。

残業代請求を行う際は、下記のような証拠が有効です。

・就業規則
・雇用契約書
・タイムカードの写し
・出勤簿の写し
・パソコンのログイン/ログアウトの履歴が分かるもの
・業務日報
・業務をした時間が分かるメールのログ
・日々の出退勤時間を記載したメモ
・家族に送ったメール
・上司との会話を録音した音声記録(ボイスレコーダーなど)

未払い残業代請求の証拠は、多ければ多いほど有利です。複数の証拠があれば、主張の信頼性が高まります。

残業代請求に有効な他の証拠については、下記の記事にて詳しく解説しています。
残業の証拠を残すにはどうすればいいのか

②残業代請求について弁護士に相談する

残業代請求にあたっては、まず弁護士に相談することをおすすめします。
請求の可否や手続きの流れなどの具体的なアドバイスを、無料で受けることができるためです。
相談方法としては、下記のような種類があります。

・対面相談
・電話相談
・メール相談
・ビデオ通話相談

例えば、勝浦総合法律事務所では対面・電話・メールによる相談を無料で受け付けております。
残業代請求の無料相談はこちら>>>

複数の法律事務所で無料相談を利用し、弁護士との相性を比較してみるのもよいでしょう。

③弁護士費用などを支払う

相談後、弁護士に正式に請求を依頼する場合、弁護士費用の支払いを行うことがあります。
弁護士費用の支払い方法は、大きく分けて下記の3パターンです。

①着手金+成功報酬型
「着手金+成功報酬型」では、まず依頼時に着手金を支払います。
そして事件解決後に、会社から支払われた金額から成功報酬が差し引かれ、残りの金額が依頼者に振り込まれるという方式です。

②完全成果報酬型
「完全成果報酬型」では、相談料・着手金が0円で、残業代を回収できた場合にのみ弁護士費用が発生します。成果がなければ費用もかかりません。
勝浦総合法律事務所では、残業代請求に自信があるためこの方式を採用しています。

③預託金での一括支払い型
成功報酬などの見込額を算出しておき、その額をあらかじめ預託金(前払い金のようなもの)として一括で支払います。そして事件の解決後に、実際の費用に応じて精算される方式です。

残業代請求の実績が豊富な法律事務所では、②の完全成果報酬型を採用する傾向にあります。
まずは無料相談を利用し、実績が十分にあり信頼できる弁護士を探すことが重要です。

④弁護士が会社と交渉

依頼が決まると、まず弁護士は会社に対して「内容証明郵便」を送付します。
この書類には、下記の情報が記載されています。

・弁護士が依頼者の代理人に選任されたこと
・未払い残業代の支払いを求めていること
・任意の交渉を希望していること

この内容証明郵便は、会社側に正式な主張を伝えるものであり、後の交渉や訴訟において重要な証拠となります。また、必要に応じて証拠の開示請求も行います。

その後、相手方の反応を踏まえて、会社と弁護士の間で交渉が行われます。

この時、会社側からは以下のような主張がなされることがあります。

・「残業代は他の手当で支払われている」
・「残業は自主的に行っていた」

こうした主張に対しては、提出された証拠をもとに一つ一つ丁寧に反論していくことが重要です。証拠の整理・主張の組み立てはすべて弁護士が対応しますので、ご安心ください。

もし任意の交渉で話がまとまらない場合は、労働審判という手続きに進むのが一般的です。

⑤労働審判

会社との任意交渉にて合意に至らなかった場合、労働審判に移行することが多いです。
労働審判とは、未払い残業代や不当解雇などの労働問題を解決するために行う、裁判所での手続きのことを指します。
わかりやすく言えば、裁判よりもハードルが低い「話し合いの場」のようなものです。

審理では裁判官1名、労働問題に詳しい有識者2名が当事者双方の話を聞き、調停(話し合い)を行うことで進行します。
期間の目安は1ヶ月半~3ヶ月ほどで、裁判よりも早く終わるのが大きな特徴です。

全体の約8割は労働審判までで決着がつくことが多いようですが、それでも合意に至らない場合、異議申し立てを行って裁判に移行します。

労働審判の手続きやメリット・デメリットに関しては、下記の記事に詳しくまとめています。
残業代請求では「労働審判」と「裁判」、どちらがお勧め?

⑥裁判

任意交渉や労働審判を行っても合意に至らない場合、いずれか一方が異議を申し立てることにより、手続きは裁判に移行します。
裁判は双方の主張や証拠をもとに徹底的に争う場です。そのため、解決に要する時間は長く、早くて半年、複雑な事件では1年以上かかることも珍しくありません。

ただ、本人が毎回の裁判に出席する必要はありません。弁護士に依頼している場合、弁護士が代理人として出廷します。(なお、ごくまれに証人尋問のために本人の出廷が必要になることがありますが、特に残業代請求訴訟においては、その頻度は比較的少ない印象です)

 

当事務所の体系

当事務所の残業代請求の報酬基準は、以下のとおりです。

・初回相談料無料

当事務所では、残業代請求についての初回の相談料は設けておりません。

・着手金

当事務所では、残業代請求について完全成功報酬制(つまり残業代を回収できなければ弁護士報酬はかかりません)を採用しているため、着手金は設けていません。

・成功報酬

残業代請求をする際、任意交渉だけで解決ができる場合、労働審判もしくは裁判で解決する場合があります。

当事務所では、基本的には次のとおり成功報酬を定めております。
任意交渉で解決した場合:回収額の19.8%
労働審判で解決した場合:回収額の26.4%%
裁判で解決した場合:回収額の33%

以上のとおり、当事務所では、初期費用0円の完全成功報酬制を採用していますので、費用倒れを気にすることなくご利用いただける体系となっています。

※運送業の場合、日々の就労状況について、タコグラフ、日報などによる詳細な立証を要するため、上記報酬に各+2%させていただきます。
※その他、証拠が十分でなく立証が困難なケース、請求額が少ないケースなど一部のケースでは異なる扱いをさせていただく場合があります。
※同僚、元同僚の方などと一緒に同じ会社への残業代請求をご依頼いただく場合、重複作業分を軽減できるので、ご依頼者数に応じて特別料金を適用し、上記金額より減額できる場合があります。お問い合わせください。
※ご依頼いただく際には報酬を明記した契約書を締結いたしますのでご安心ください。

まとめ

今回は、残業代請求をする際の弁護士費用など、そして当事務所の費用体系についてご紹介させて頂きました。
事務所によって費用体系や金額、割合が異なりますので、残業代請求を検討する場合は、必要な費用を把握し、依頼する前に費用についてしっかりと精査をすることが大切です。