労働基準監督署への通報がきっかけとなり、会社からお金が支払われることがあります。
労働基準監督署が立ち入り調査を行う中で、従業員に対する未払い賃金があると発覚した場合、会社に対しその支払いを促す(是正勧告を出す)ことがあるためです。
もっとも、労働基準監督署の主な役割は、労働基準法違反の是正を通じて労働環境を改善することにあります。そのため「個別の未払い賃金の回収に向け、積極的に動いてくれる」というわけではないので、注意しましょう。
目次
訴えがきっかけでもらえる可能性がある金銭
労働基準監督署への訴えがきっかけで、労働者がもらえる可能性がある金銭としては、「未払い賃金・残業代」と「最低賃金との差額」が考えられます。それぞれ詳しく確認していきましょう。
未払い賃金・残業代
労働者は、労働基準監督署に対し、未払い賃金・残業代について相談することができます。未払い賃金・残業代は、例えば、賃金支払いの遅延やサービス残業、休憩時間の労働、始業前の労働、不正な固定残業代制などによって発生するものです。
労働者からの訴えをもとに労基が調査を行い、未払い賃金・残業代の問題が明らかになった場合、労基は会社に対し、未払い賃金・残業代を支払うように促すことがあります。この指導を受け、会社によっては速やかに未払い分を支払ってくれることもあります。
ただし、労基の指導・是正勧告には強制力がありません。そのため、必ずしも会社が従うとは限らず、労基の是正後も、従業員は未払い賃金・残業代を受け取れないことがあります。
最低賃金との差額
会社は労働者に対し、国が定めた最低賃金以上の賃金を支払わなければなりません。最低賃金を下回っている場合は最低賃金法に違反し、労働基準監督署による是正対象となります。
支払われている賃金が最低賃金を下回っているようであれば、労基への相談を検討しましょう。
労働者からの訴えを受け、労基が会社に対し是正を行ったときには、場合によっては、本来支払われるべき賃金との差額を労働者に支払うよう、労基が会社に促すこともあるでしょう。会社がこの指示に従えば、差額となる賃金を得られる可能性があります。
ただし、前述のとおり労基の指導・是正勧告には強制力がないため、無視されることもあるでしょう。少しでも回収の可能性を高めたい場合は、弁護士へ相談することをおすすめします。
弁護士への無料相談が有効な事案
労働問題の相談は、労働基準監督署だけではなく、弁護士も受け付けています。無料相談が可能な事務所も多いので、気軽に利用してみましょう。
特に以下のようなケースについては、正当な額の金銭を受け取るためにも、弁護士への相談・依頼をおすすめします。
未払い賃金・残業代・最低賃金との差額(正当な額を請求可能)
「給料が全額支払われていない」「残業代が出ていない」「最低賃金未満の給料で働かされていた」といった場合は、労働基準監督署よりも弁護士に相談した方が良いでしょう。弁護士は労基と異なり、こういった個別具体的な事案に対して動くことができるためです。
依頼を受けた弁護士は、会社と徹底的に交渉し、場合によっては労働審判や訴訟を行って、会社に対し正当な金額での未払い賃金の支払いを求めます。ここが労働基準監督署と弁護士の大きな違いです。
そもそも、労働基準監督署の意義は、突き詰めると会社の労働環境の改善にあります。そのため労働者一人一人に対して、個別具体的に未払い賃金を回収してくれるわけではありません。
また労基が未払い賃金の支払いを促すことはあっても、その額は弁護士から見ると少額にとどまることが多いです。
未払い賃金の回収を目的とする場合、弁護士へ相談してみることをおすすめします。
遅延損害金と付加金について
未払い賃金には、遅延損害金という利息が発生します。
その利率は、労働者が在職している場合で年利3%、労働者が退職している場合で年利14.6%(退職日以降)です。
会社への未払い賃金の請求にあたっては、この遅延損害金も同時に請求することができます。
また未払い残業代請求が裁判に発展した場合、付加金を併せて請求できる可能性もあります。付加金とは、会社へのペナルティにあたる金銭であり、その金額は未払い残業代と同額まで命じられる可能性があります。
つまり、裁判にて付加金の支払いが命じられた場合、労働者は未払い残業代の2倍の金額を受け取れる可能性があるのです。
遅延損害金と付加金に関しては、下記の記事にて詳しく解説しています。
「未払い残業代には「利息」をつけられる:遅延損害金・付加金や残業代の請求方法を解説」
不当解雇の解決金・バックペイ
「会社を不当解雇された」という場合も、弁護士に相談することをおすすめします。
解雇について労基に相談しても、なぜか解雇について争うことはなく「解雇予告手当1ヶ月分」を請求するようにアドバイスされるだけで、話が終わってしまうケースが散見されます。
これは労基署が『労働基準法(解雇予告手当のルール)』の違反しか取り締まれないためです。
民事上の『不当解雇そのものの無効』や『解決金・バックペイの請求』は労基署の管轄外(労働契約法の範疇)となるため、労基署ではそれ以上の対応ができません。 不当解雇については、『解雇予告手当1ヶ月分』を受け取って満足すべきではないケースが多いため、弁護士への相談をお勧めします。
不当解雇の事案を弁護士が扱う場合、たとえば解雇の有効性をめぐって会社と争い、解雇の無効を主張したり、解決金や慰謝料の支払いを求めたりします。もちろん解決金や慰謝料については、法的根拠に基づいた相当な金額を請求します。
また、バックペイの請求も可能です。
バックペイとは簡単に言うと、「解雇が無効であるとわかった場合に受け取れる、本来支払われるべき賃金」を指します。
解雇が無効であれば、法律上は労働契約が継続していることになります。そのため、解雇とされた日以降も賃金が発生していることになります。この賃金についても、弁護士であれば代理人として請求することが可能です。
「労基への訴え」と「弁護士へ無料相談」はどちらがよいのか
未払い賃金をはじめとした労働問題は、労働基準監督署にも弁護士にも相談できます。労基はもちろん、無料相談を行っている弁護士事務所を選べば、相談料は無料です。
では労基と弁護士、どちらに相談すべきなのでしょうか。
相談先は「あなたの目的」をもとに判断するのが良いと思います。
労基は会社の法律違反の是正のために動きます。そのため「会社の法律違反をやめさせたい」「職場環境を変えたい」という場合には労基に相談するのが適しています。また、弁護士に依頼するのは費用がかかりますが、労基は費用が掛かりません。
労基は、未払い賃金を支払うよう会社に是正指導を行うことがありますが、民事上の強制的な回収まで行う権限はないため、過度な期待はできません。
一方で、「未払い賃金・残業代をきっちり請求したい」「不当解雇について争いたい」といった場合には、弁護士への相談をおすすめします。
弁護士は、個別具体的な案件について、会社との交渉や労働審判・訴訟などの法的手続を含めて対応します。
依頼者側の利益の実現を目的として動くため、未払い賃金の回収や解決金・損害賠償の請求を目指す場合には、弁護士への依頼が適しているといえます。
未払い残業代の請求事例(勝浦総合法律事務所)
勝浦総合法律事務所では、未払い残業代の請求に力を入れております。ここでは、実際に未払い残業代の回収に成功した事例を3つご紹介します。
500万円を回収(SE兼マネージャー)
システム会社でSE兼マネージャーとして勤務する50代の男性から、未払い残業代を回収したいとご依頼を受けました。
依頼者はマネージャー職に就いていたことから、その管理監督者性が争点となり、会社は「管理監督者である」と主張し、残業代の支払いを拒否しました。
弊所弁護士は訴訟を提起し、依頼者が「現場業務を中心に行っていたこと」「勤怠の裁量がなかったこと」などを主張の上、管理監督者性を否定する主張を行いました。
裁判所はこの主張を認め、その結果、会社が約500万円を支払うことで和解が成立しています。
250万円を回収(アパレル企業企画職)
アパレル企業で企画職として働いていた20代女性から、不当解雇について相談を受けました。その中で、会社の独自ルールによる多額の未払い残業代があることが発覚し、不当解雇だけでなく未払い残業代請求の点でも会社と争うこととなりました。
弊所弁護士は、証拠集めから対応し、会社側の弁護士と根気強く交渉を重ねました。その結果、会社は依頼者へ250万円を支払い、和解となりました。
300万円を回収(建設業の現場監督者)
建設業の現場監督者として働く40代男性から、未払い残業代請求のご依頼を受けました。
タイムカードがなかったため、弊所弁護士は作業日報の出退勤時間の記載をもとに未払い残業代を計算し、会社へ請求を行いました。
しかし、会社が支払いを拒否したため訴訟を提起したところ、会社は「作業日報は正確でない」「残業の指示をしていない」「役職手当が残業代にあたる」などと主張。裁判所はこれらの主張を認めず、結果として会社が300万円を依頼者に支払うことで解決しています。
労働問題は勝浦総合法律事務所へ相談を
未払い残業代をはじめとした労働問題にお悩みの方は、勝浦総合法律事務所へご相談ください。未払い残業代の豊富な回収実績を持つ弁護士が、労働者の立場に立ち、依頼者にとって最適な解決を目指して対応します。
弊所は初期費用0円の完全成功報酬制を採用しており、「未払い賃金・残業代を回収できなければ弁護士費用は無料」ですので、費用倒れを気にせずご依頼いただけます。
無料相談を行っていますので、「未払い残業代があるかどうかわからない」という方も、まずはお気軽にお問い合わせください。
監修弁護士

執筆者:勝浦 敦嗣(かつうら あつし)
所属:第二東京弁護士会所属
-監修コメント-
ご相談料は0円、初期費用も0円の完全成功報酬にてご依頼いただく事が可能です。まずは、お気軽にご相談ください。
